今回はつでん管理人が点検を行ったのは、福岡県の50kW低圧の発電所になります。オーナー様は今回点検を行った1区画の他に、同敷地内に3区画の発電所も所有しているのですが、遠隔監視で日々、確認をしていたところ、1区画のみ発電量が低いとの事でスポット点検のご依頼がありました。
実際に点検を行うと、まさかのトラブルが発覚しました。
目視点検による外観検査
それでは実際に行った点検について解説させていただきます。
まずはメンテナンスの基本となる目視点検から行います。目視点検では、太陽光を運用する上で重要な架台や固定ボルトの確認。さらにパネルやパワーコンディショナーなどの重要な発電機器を点検項目に従い、メンテナンス専門のプロの目で検査します。
雑草による影響
点検に入って最初に目に入ったのが、パネルの上にかかった雑草でした。この状態だと売電量に影響を与える恐れがあります。さらにパネルの下から生えてきた雑草はケーブルなどに絡まり、ケーブルの切断などに繋がる可能性があります。
また、今回はパネル上から雑草をよける、簡単な処理を行いましたが、きちんとしたメンテナンスを行わないと、売電量に影響を与えるだけではなく、虫などが大量発生し、様々な二次トラブルを招くでしょう。
ボルトのゆるみ、脱落
架台のボルトにゆるみが見つかりました。左右どちらもボルトが固定されておらず、意図的にパネルを揺らすと、パネル全体が大きく波打つ箇所がありました。
下記の動画は、ボルトの揺れを撮影した動画になります。
動画をご確認頂くとわかりますが、ボルトがきちんと固定されている場所とそうでない場所の差がはっきりとわかります。
今回はボルトを固定するなどの簡単な応急処置を行いましたが、驚く事に固定されていなかった箇所は1ヶ所だけではありませんでした。このまま放置をすると、台風などの自然災害が起きた場合、発電所が倒壊する恐れがあり、パネルの飛散などにより、第三者への被害も考えられ、非常に危険です。
ストリング(IVカーブ)測定
次にストリング(IVカーブ)測定と呼ばれる検査を行いました。ここでは、直近で見られる大きなトラブルはありませんでした。しかしパネルの汚れや、隣接するフェンスの影の影響で、電圧が減少している部分が数か所見つかりました。すぐには影響がなくても、パネルの汚れなどは経年劣化を早める原因にもなります。出来るだけ早期に対処する事が大切です。
パワーコンディショナーの動作チェック
最後にパワーコンディショナーの動作確認になります。ここではパワーコンディショナーのエラー表示チェックや、積算発電量の確認。動作温度や異音や異臭などを調べ、パワーコンディショナーが正常に作動しているか確認します。
「売電量低下の原因発見!!」
今回は9台のパワーコンディショナーを点検したところ、なんと、1台のパワーコンディショナーの停止を確認。その場でメーカーに問合わせをしたところ、故障による症状でした。パワーコンディショナーが1台止まっているだけで、繋がっているストリング全てに影響があり、売電ロスに直結します。
今回の発電所は、FIT価格(売電価格)が36円の物件です。年間の想定売電量が60,000Kwhの場合、年間の売電収入が約216万円になります。このままトラブルに気付かず、1ヶ月放置していた場合、1万8千円の損害に……。1年間ではなんと、21万6千円もの売電ロスになります。
本発電所では遠隔監視が設置されており、オーナー様自身で気付いたため、メンテナンスのご依頼がありましたが、万が一遠隔監視も未設置だった場合、気付くのが遅くなり、更なる売電ロスを招いたでしょう。
まとめ
太陽光発電所は20年間の長期運用になります。
国内には数多くの発電所がありますが、なんと半数以上が定期的なメンテナンスを行っていないとされています。太陽光発電所のあり方について数多くの意見が交わされる中、メンテナンスなしで20年間の売電運用は不可能です。
今回の太陽光発電所の場合、オーナー様ご自身で遠隔監視をこまめにチェックしており、発電量の低下に気付いてからメンテナンスのご依頼を頂きましたが、万が一発電量の低下にも気付かず、そのまま運用を行っていたら、更なる売電ロスに繋っていたでしょう。
当たり前のことですが、太陽光発電所を投資として始めたオーナー様にとっては、大変なマイナスになります。ご自身の発電所が本当に100%の売電を行っているか、もう1度よく確認してみて下さい。
引き渡しから1度でも点検をしましたか?
もし点検をしておらず、引き渡し時に既にトラブルがあった場合、そのまま運用しているかもしれません。太陽光発電の投資を成功させたいなら、メンテナンスは必須です。『はつでん管理人』は20年間の長期運用を視野に入れた、メンテナンスの専門業者になります。
はつでん管理人は皆様とご一緒に、安定した売電運用を目指します。
メンテナンスお悩みの際は、ぜひ『はつでん管理人』にお問合せ下さい。